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美容皮膚医学BEAUTY 69号
美容皮膚医学BEAUTY 69号(Vol.9 No.4, 2026)

特集●美容皮膚エキスパートナースの実践知

企画編集:野本真由美
発行:2026年9月(2026年9月3日発売予定)
判型:A4変型
頁数:80
ISBN:978-4-287-91069-6
定価:4,400円(本体4,000円+税10%)

特集にあたって

 美容皮膚医療は,この20年で大きく発展してきた.デバイス治療や注入療法,メディカルスキンケア,さらに体の内側からのアプローチまで,治療の選択肢は飛躍的に広がった.美容皮膚医療に求められる役割も,皮膚の美しさを追求することだけでなく,皮膚の健康を長く維持し,より健やかな人生を支える「ロンジェビティ(Longevity)」の理念へと広がりつつある.このような時代だからこそ,美容皮膚エキスパートナースの専門性は,ますます重要になっている.
 患者が安心して治療を受け,継続し,期待する結果へとたどり着くためには,日々最も身近で患者と向き合う看護師の存在が欠かせない.美容皮膚エキスパートナースは,医師の治療方針を理解したうえで,皮膚の状態や生活背景,患者の心理状態を丁寧に観察し,適切なスキンケア指導や治療説明,不安への対応を行いながら,一人ひとりに寄り添う専門職である.その積み重ねが治療アドヒアランスを高め,安全性を確保し,最終的な治療成績や患者満足度の向上につながっている.
 前回特集「美容皮膚エキスパートナースの視点」(弊誌第60号)では,美容皮膚医療における看護師の役割や,皮膚を医学的に理解することの重要性について紹介した.本特集では,その理念を受け継ぎ,その歩みをさらに進め,「実践知」をテーマとした.実践知とは,日々の臨床経験のなかで培われ,患者との関わりを通して磨かれてきた知識や判断,工夫である.こうした現場で生まれた知を言語化し,多くの医療者と共有することは,美容皮膚医療全体の質を高めることにつながる.
 本特集では,13名の美容皮膚エキスパートナースが,それぞれの臨床現場で積み重ねてきた経験をもとに,多様な視点から実践知を論じている.取り上げるテーマは異なるものの,その根底に共通しているのは,「患者を理解し,よりよい結果へ導くために何ができるか」を問いつづける姿勢である.各論文には,日常診療のなかで育まれた知恵と工夫,そして患者に寄り添いつづけてきた看護師ならではの視点が込められている.
 美容皮膚医療は,単に外見を整える医療ではない.患者が自分らしく生き,前向きな人生を送ることを支える医療である.その実現には,医師と看護師が互いの専門性を尊重し,同じ目標に向かって協働するチーム医療が不可欠である.そして,現場で得られた経験を論文として発信し,施設を越えて共有する文化を育むことは,美容皮膚エキスパートナースという専門性を社会に示す第一歩でもある.
 本特集が,美容皮膚医療に携わる看護師にとって,自らの実践を振り返る機会となるとともに,新たな学びや気づきを得る契機となり,より質の高い医療を届けるための一助となることを願っている.

野本真由美
(野本真由美スキンケアクリニック 総院長/野本真由美クリニック銀座 院長)

目次

  1. 美容医療とSOINエステティックの融合―美容医療レーザー施術にエステティック手技を併用した検討―/角谷景子
  2. ノンスキンケア患者へのアプローチ―美容施術をきっかけとしたスキンケア指導―/小野咲枝
  3. 老化を細胞レベルで考える/坂入さやか
  4. 尋常性ざ瘡患者の治療継続を支える看護/小芦裕子
  5. IPL施術前後における角質管理と摩擦刺激が皮膚反応に及ぼす影響/千原美由紀
  6. シミ治療における通院遵守と関連要因の検討―看護師介入の役割―/荒井穂香
  7. ナイアシンアミド配合製剤による施術後の鎮静とPIH予防効果―継続使用による改善率が示唆するホームケアの意義―/河野沙織
  8. 美容皮膚科における患者満足度はどこで決まるのか―期待値マネジメントにおける看護師の役割―/椿 舞
  9. IPL治療19年の経験知/佐藤恵里依,樋山えり,有坂奈津美,倉澤美汐
  10. 酒さの増悪予防における看護師の役割―症状の波を引き起こさないためのスキンケア指導―/山則舞佳