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レジデント3月号 |
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AB判128頁
価格:本体¥2,000+税 ISBNコード:978-4-287-81114-6
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特集●脊椎脊髄外科〜首から腰までの背骨の病気の診断と治療 |
企画編集/大川 淳 |
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整形外科の外来患者のうち,約半数が背骨の病気であることが知られている.整形外科では,四肢外傷とともに手足の痛みやしびれ,麻痺も扱う.首や腰などの局所の痛みの訴えもかなり多い.整形外科専門医となる過程で,これらの症状に対する診断・治療法を学ぶが,その時期は同時に基本的な手術整形外科手技の習得に時間が費やされるのが一般である.最も多いのは大腿骨頸部骨折であるが,橈骨遠位端骨折や足関節,下肢骨折の整復固定術を通じて,整形外科手術の基本手技であるスクリューやプレート,髄内釘などの扱い方を習得する.こうした一般整形外科の手術ができるようになったあとで,人工関節,内視鏡とともに,脊椎手術など進んだ手術手技を学ぶことになる.スポーツ整形外科の人気も高いが,脊椎脊髄外科のニーズは高齢者の増加とともにますます大きくなると思われる.
脊椎脊髄外科は,かつて交通外傷や転落による脊椎の脱臼骨折や脊髄損傷が中心であった.ところが近年,高齢者の健康寿命の重要性が高まるにつれて手術の対象が大きく変化し,さらに技術的な進歩によって手技も多様化した.すなわち,従来の神経除圧と局所的な固定術に加えて,内視鏡手術や長範囲インストゥルメンテーションによる姿勢制御などが可能になったのである.ただ,手術治療において最も重要なのは術前の神経診断学であり,症状の由来を正確に評価することが手術を成功に導く鍵といえる.とくに脊椎脊髄外科では背骨の痛みという非特異的な症状が多く,手術のターゲットを決定するにも一定の知識や経験を有する.当然,神経学的診察をマスターすることや,MRI・CT検査などの神経放射線診断学の知識も不可欠である.一方,すべての頸部痛や腰痛が手術で治せるわけでなく,手術後に残った痛みを薬や理学療法でコントロールして,運動機能を維持するという保存治療の素養も求められる.この部分には医師患者関係を良好に保つ能力が重要で,画像上の異常があるから切除し,それがなければ通院は不要というような切除外科の考え方とは大きく異なる.痛みを減らしてQOLを向上させるという,機能外科としての側面を最も求められているのが脊椎脊髄外科といえる.
本特集は,こうした脊椎脊髄外科の診断,治療のエッセンスを示すことを目的に編集した.12の傷病について,問診から始まり,診察,画像検査,診断に至るまでの過程を示す.治療については保存治療と手術治療について概説し,また,専門医への紹介のポイントに触れた.本特集の読者が到達できるのは診断過程までとは思われるが,神経障害はときに進行性であり,専門医への紹介のタイミングが遅れると思いの他重い後遺障害を残すことを忘れてはならない.脊椎脊髄外科の領域は,生命予後は左右しないとしても,障害が残れば患者のその後の人生に大きく影響することは間違いがない.
大川 淳
(東京医科歯科大学大学院 医歯学総合研究科 整形外科学分野 教授/ 東京医科歯科大学医学部附属病院 病院長)
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特集●脊椎脊髄外科〜首から腰までの背骨の病気の診断と治療
1. 頸部痛・腰痛と保存治療/大川 淳
2. 頸椎後縦靭帯骨化症/吉井俊貴
3. 頸椎椎間板ヘルニア/新井嘉容
4. 胸髄腫瘍/進藤重雄
5. 思春期側弯症/友利正樹
6. 若年者腰椎分離症/江川 聡
7. 腰椎椎間板ヘルニア/佐々木真一
8. 腰部脊柱管狭窄症(すべり症)/猪瀬弘之
9. 成人脊柱変形/大谷和之
10. 骨粗鬆症性椎体骨折と骨粗鬆症治療/加藤 剛
11. 透析脊椎症/山田剛史
12. 化膿性脊椎炎/平井高志
■連載
◆ヨルレジ……編集/森 信好
・第12回 カリウム異常……矢崎 秀
◆患者さんとの接し方
・第109話 看取り医療における患者さんの家族との接し方……星野達夫
◆慶應循環器内科カンファレンス……監修/福田恵一
・第67回 房室ブロックから心室細動を起こした心サルコイドーシスの一例……湯浅慎介
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