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レジデント8月号
AB判112頁
価格:本体¥2,000+税
ISBNコード:978-4-287-81119-1
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特集Choosing Wiselyで考える感染症診療〜検査編〜
企画編集/忽那賢志
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特集にあたって  Choosing Wiselyという言葉をご存知でしょうか.これは「ポリファーマシー(薬剤の多剤併用)」や「過剰診断」が世界的な問題になりつつあるなか,医療者が専門職としての原点に立ち返り,“賢い選択”を実現するための国際的なキャンペーン活動です.米国では,70以上の臨床系の専門学会が,医療者,患者双方が考え直すべき“5つのリスト”というものを作成しています.日本でも,総合診療指導医コンソーシアムが,以下に挙げる“5つのリスト”を発表しました(GenMed. 2015; 16: 3-4.).
1.健康で無症状の人々に対してPET-CT検査によるがん検診プログラムを推奨しない.
2.健康で無症状の人々に対して血清CEAなどの腫瘍マーカー検査によるがん検診を推奨しない.
3.健康で無症状の人々に対してMRI 検査による脳ドック検査を推奨しない.
4.自然軽快するような非特異的な腹痛でのルーチンの腹部CT検査を推奨しない.
5.臨床的に適用のないル−チンの尿道バルーンカテーテルの留置を推奨しない.
 こうしたムダな検査をなくそう,患者さんにメリットよりもデメリットが多い検査は控えよう,というのがChoosing Wiselyの主眼です.さて,感染症診療の世界も検査に溢れています.我々はそれらのたくさんの検査を使いこなせているでしょうか? どのような場合にこれら感染症に関する検査をすべきか十分に理解していますか? 極端な例を挙げれば,肺炎がないのにレジオネラ尿中抗原を測定していたり,熱があって咳をしている患者全員に胸部レントゲンを撮影していたりするのを見かけることがあります.
 本特集では感染症診療に関する検査をもう一度見直し,どのようなときに検査を実施すべきか(そしてすべきでないか),どのような結果であったらプラクティスをどう変えるのか,について改めて考えたいと思い企画しました.各検査についてご記載いただく先生方には「○○しない!(たとえば「発症から12時間以内のインフルエンザが疑われる患者に迅速検査をしない」)というリストを1つずつご作成いただきました.本特集の「感染症検査のChoosing Wisely」のリストを読者の皆さんの診療に活かしていただけましたら幸いです.
忽那賢志
(国立国際医療研究センター 国際感染症センター 国際感染症対策室 医長)
特集Choosing Wiselyで考える感染症診療〜検査編〜
1. Choosing Wisely とは/徳田安春
2. むだな検査を出していませんか?〜「とりあえずクリック症候群」に罹患しないために〜/髙原充佳
3. インフルエンザ迅速診断キットのChoosing Wisely/忽那賢志
4. 胸部X線写真のChoosing Wisely/根井貴仁
5. 肺炎球菌尿中抗原・レジオネラ尿中抗原/篠原 浩
6. 溶連菌迅速検査/藤谷好弘
7. CRP/有馬丈洋
8. 血液培養検査/谷崎隆太郎
9. 監視培養のChoosing Wisely/日馬由貴
10. 抗酸菌検査/大藤 貴
11. CDトキシン〜GDHとトキシンのそれぞれの解釈は?〜/森 伸晃
12. β-D-グルカン検査の意義/馬渡桃子

連載
◆患者さんとの接し方
 ・第114話 患者さんの質問……星野達夫
◆ヨルレジ……編集/森 信好
 ・第16回 不眠・不穏……福井 翔
◆慶應循環器内科カンファレンス……監修/福田恵一
 ・第71回 腎機能障害を有するCTEPHに対するBPA……川上崇史